私たちの乳児期、または乳児に対して、多くの方がいないいないばーの体験があると思います。
今回は、心理学者でもあり和歌山大学教授の米澤好史先生の論文を基に、私の先生が教えて下さった話のひとつです。
いないいないばーをされた乳児たちはキャッキャと笑いますよね。
それは安心感があるからです。
いないいないばーは、手で顔を覆っている間いなくなるけれども、本当にいなくなってしまったわけではなくて、そこにいることが分かっているから、安心して笑うことが出来るのです。
米澤先生は、愛情とは与えるものではなく、子供が大人との関わりから感じとるものと仰っています。
見えなくてもいる、そしてやっぱりいた。
そのことの確認が、安心感に伝わっていくそうです。
なるほど。
確かにそうですよね。
いないいないばーをして本当にいなくなってしまったら…
想像するだけでも心が冷え込みます。
凍りつきます。
このことは大人の世界にも当てはまると思います。
そこにいる安心感。
例えば、学校や会社でどれほど嫌なことがあっても、家に帰ったなら必ず話を聞いてくれる人がいる安心感。
そうしてまた、それがあるから外の世界へ向かっていける。
これはたとえば物理的には離れていても、同じようなことが言えると思うのです。
何かあったら必ず話を聞いてくれる。
いてくれる。
心は近くにいる。
そんなことが安心感に繋がっていくのだと思います。
ただ、いつまでいないいないばーをするわけにもいかず、こうした安心感、繋がり感というのは、やはり言葉で伝えなければ分からないこともあると思います。
たとえLINEやメールであっても、受け取る側は確認できますし、伝えることによって発信側も自分の気持ちの再確認が出来ます。
米澤先生とは一度お話をさせていただいたことがあるのですが、とても穏やかで思慮深く、そして誰にでも公平で強い愛情を持ってらっしゃる素敵な紳士という印象でした。
著者も多く出されているので、興味がお有りの方は読んでみてくださいね。
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