ひとつの考え方としてですが、苦とは近くから物事を見ることでもあります。
何故なら私たちは、近過ぎる場所から物を見ると、
いっぱいいっぱいになっていくからです。
小さな出来事も大きな出来事になっていく。
それは同時に、その事に囚われていく、執着していくということでもあります。
例えば、会社で何か嫌な事があった。
それが脳裏に焼き付いて、いつまでも心から離れない。
離れてくれないどころか、気がつくとその事ばかり考えている、
なんていうことがあると思います。
そこで、自ら広い世界に出ていってみるのです。
大きくて広くて遠いところから観る世界に出ていってみるのです。
そうしてその出来事は、自分の人生の「切り取り」であることに気付く。
「1ページ」であることを、先ずは確認するのです。
例えば、映画や小説でも、またノンフィクションのドラマでも、
「ああ、何でここでこんなに辛いことが起きて」という場面があります。
でも必ず、その先の展開というのがあるのです。
何かが起きた時に、近いところからものを見てしまう。
それも仕方ないとは思います。
何故なら、私たちの目は生まれてから現在まで、今までしか見ていないからです。
でも「この先」があるのは事実なのです。
苦は、ずっと続いていくものではありません。
明るい世界があるのも「事実」なのです。
そして自分に見えているものが、世界の全てではないのです。
自分に見えているものが、自分の人生の全てではないのです。
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