この世には様々な人がいて、様々な考え方が存在しています。
私たち個人個人の中にも、長所もあれば短所もあり、悪い感情もあれば良い感情もあります。
短所や悪い感情というのは、必ずしも消し去った方が良いものではないのです。
人間は複雑な生物であり、白か黒かで割り切れるようなものではありません。
世の中や社会の仕組みもまた、白か黒かでは割り切れない。
大半はグレーな中で成立しています。
白か黒か二価値判断をしないということが、実は重要なことなのです。
確かに白か黒かに分けてしまえば、物事を進めていくには、或いは感情の持ち方としては楽なこともあるかもしれません。
ただそれは、本質を見ていないことにもなります。
ある一部だけを見て、全体を見ていない。
客観的に物事を捉える視点を持たないことで、自分自身が苦しくなってしまうことは多いものです。
例えば、短所も長所もアングルを変えれば、逆になるものです。
鈍感な人は、細かなことに気付かないこともあるけれども、あまりクヨクヨせずに日常を笑顔で過ごせるかもしれません。
反対に敏感な人は、ピリピリしている時もあるけれど、よく見ているゆえに本質を鋭く捉えてピンチを救うかもしれません。
大局的に捉えると、どちらも人の為や世の為になっているものです。
また一般的に負の感情と言われるものも、人間にとっては必要なものです。
例えば怒りの感情も、不正義や理不尽に対して怒るのは、当然なことです。
嬉しい、悲しい、辛い、頭にきた、楽しい等々…人間が人間らしく生きていく為には必要なものです。
だからと言って、感情に身を任せて行動することも人間らしいとは言えません。
それらをコントロールするのに必要になるのが、複眼だと思います。
物事を、人を、自分を俯瞰的に見てか黒かどちらか一方に偏らずに、物事や人間の在り方を捉えていく。
白か黒かどちらか一方に偏らず、複眼を持つ。
本質を見ることを放棄せずに向き合っていくことが、少し楽に生きていけるヒントにもなると思います。
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