辛いと言えないことの辛さ

お悩み相談室

先日メールをいただき、「辛いと言えないことの辛さ」「辛いと言えない方が辛い」ということを教えてもらいました。
その方の許可をいただけたので、思いを寄せながら考えていきたいと思います。

辛くても辛いと言えないこともある。
辛いと言えない時もある。辛いと言えない人だっている。
本当ですね。
こうして言葉で伝えていただくと、改めてそう思います。

言いたいことを言ったら、拒絶されるのではないかという恐怖があります。
否定される。
嫌な顔をされる。
やはりこわい。

辛いと言ってしまうことで、今の現状を再確認することにもなる。
そして現状を受け止めたくないからブレーキをかけてしまう。

過去に辛かった話をしたら、面倒くさがられた。
嫌われるのがこわい。

話をしたら否定された。
否定してくるから今度は黙っていると怒られる。
結果、自分には味方はいないんだと思う。
だから誰かに話すとしても結局自分をよく見せようとしてしまい、
結果、自分の気持ちが分からなくなる。
自分が分からなくなる。

こわい...そこにはいつも恐怖があるのです。
いつも我慢している...

「みんな辛いんだ。お前だけではない。もっと我慢をしろ」などと言う人もいますが、
実は一番我慢しているのです。
そうして我慢している内に、NOもYESも言えなくなってしまう。

いつも我慢しているから、心の奥を話そうとすると涙が出て話せなくなる...

いつも抑圧しているもの、抑圧してきたものが表に現れる時に、その思いは変装して現れるものです。
例えばそれが、涙だったり、怒鳴ることであったり、叫ぶことであったり。
弱いから涙が出るのではないのです。
普段から我慢して、我慢して...だから涙が出るのです。

変装が良い子良い人を演じることだった場合には、更に我慢を重ねていってしまいます。
しなくてもよい我慢を重ねていってしまう。
やがて、涙とセットじゃないと、思いを気持ちを伝えられなくなってしまう。

こわい...本当はこうなのに、こうしたいのに...
その思いを感じながら伴走していくことが大事だと思うのです。

相手のことを、相手の心を決めつけない。
お説教をしない。
相手のストレングス(持っている力)を信じる。
信じていつまでも待つ。

私の所属しているカウンセリング学会の先生の言葉なのですが、「相手が暗闇の中に、真っ暗なトンネルの中に入ってしまっているのなら、一緒に暗闇の中に、トンネルの中に入っていく」
「わー真っ暗だね。これからどうしようか」って伴走していくと仰っておりました。

先ずは「悲しい」「辛い」のひとことを言ってくれるのを伴走しながら待つ。
ひとことを伝えてくれたら、きちんと受け止める。
「悲しい気持ちなんだね」「辛いんだね」と受け止める。
決して決めつけずに、相手を信じて待つことも、とても重要なことだと思っています。


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